警視庁通話コード・隠語・略語、及び組織や通信システムに関する解説(取り急ぎ暫定版)

通話コードは各都道府県警により異なります
例えば隣接する埼玉県警では照会センターは「照会センター」と呼び「123」とは呼びません。
同一コードでも各都道府県警で異なる意味を指すことがあります。
警視庁のZ号照会は暴力団及び暴力団構成員照会ですが、埼玉県警では盗品照会を意味します。
ここでは特に注記がない限り警視庁の通話コードを記しています。

 

はじめに

通信通話記録公開の経緯:
警視庁の通信通話記録は原則1年間保管後、廃棄されるとされています。
ところが、2015年3月に地下鉄サリン事件発生当時の通話を録音した
カセットテープが偶然同庁内から発見されたため公開に至ったとされています。
本当に偶然なのか疑問は残るものの公式にはそう発表されています。
尚、傍受したものではない為に電波法第59条「秘密の保護」には抵触致しません。

テープ発見〜公開までの経緯 (ハムライフ・ドット・ジェーピーさま) https://goo.gl/sBx1cf

 

用語解説

マル害:被害者
マル被:被疑者
マル走:暴走族
マル暴:暴力団
マル目:目撃者
人着:人相・着衣・風体
相勤:警察官は原則として二名行動とされており、その相方を指します。
バンかけ:職務質問
G事案:ゲリラ(テロ)事案

 

PM:警察官
PS:警察署
PB:交番
PC:パトロールカー(パトカー)

 

123(ひゃくにじゅうさん):照会センター
A号照会:前科前歴照会
B号照会:指名手配者照会
C照会:盗品照会 盗難車から腕時計までシリアル番号を併せて届出た物品全て
M号照会:未帰宅者・行方不明者照会
U号照会:車両所有者照会
Y号照会:薬物使用歴照会
Z照会:暴力団及び暴力団構成員照会
L1照会:運転免許の種別等の照会
L2照会:運転免許行政処分歴の照会
S1照会:非行歴照会
S2照会:暴走族照会
総合照会:上記中の人物に対するものを一括照会します
※人物照会を行う際は、氏名+生年月日+本籍地の都道府県若しくは現住所が必要です。

 

235事件:窃盗事案 刑法235条から来る隠語
236事件:強盗事案 刑法236条から来る隠語
※刑法を元にした隠語は他にも多数存在します。

 

リモコン担当:
警察署の無線機本体は機械室に設置されています。
無線機と無線卓の間は、マイク、スピーカー、送信する際に押すPTTスイッチ
の配線が接続されています。離れた部屋から無線機を遠隔操作する設置方式から、

各警察署の無線担当者を「リモコン担当」と呼称します。
※PTTスイッチとは "Press To Talk" 若しくは"Push To Talk"の略で送信時に押すスイッチのこと。

 

専務員:
専務試験に合格した刑事課・交通課・生活安全課・警備課・鑑識課・その他専門的知識を有する警察官です。
(例外として地域課に専務員は存在しません)

 

セルコール・注意喚起音:
110番入電時に管轄する警察署に所属する受令機に対し呼び出し音を鳴らします。
要するに警察署単位でグループ分けし呼び出したいグループのみに呼び出し音を鳴らします。
グループ外の受令機は呼び出し音こそ鳴りませんが、通話自体は傍受することが可能です。
また、一斉指令や注意喚起は同一方面系の全移動局が対象です。

 

配備圏(緊急配備圏)
・自署配備 各警察署単位で発令
・キロ圏配備は現場を中心に5キロ圏、10キロ圏、20キロ圏と広がります
・全体配備は都内全域にわたる緊急配備
・広域全体配備(区域全体に対する配備)
・広域外周配備(事件発生県の隣接県に対する配備)
・広域重点配備(被疑者が立ち回る虞のある重点を県境を越えて配備)
・広域交通機関配備(鉄道・高速道などに対する広域配備)
・広域県境配備(事件発生県の隣接県の隣接署に対する県境での配備)
※自署配備は各警察署長の判断、それ以外は指令本部が決定します。

 

緊急配備が広がる様子】

https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=8m22
[セルコール] [注意喚起音] 警視庁から各局 日比谷線 日比谷線の一連の事案につき
築地3丁目15番1号中心の5キロ圏警戒態勢を発令する。



https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=11m09s
警視庁から各局 築地管内築地3丁目15番1号…日比谷線で発生した同時多発G事案につき
8時27分 8時27分 築地3丁目15番1号中心の5キロ圏配備を発令する。
実施署は築地、丸の内、神田、万世橋、中央、久松、築地、月島、愛宕、三田、麻布、赤坂
の各署とし同一に体制はいずれも甲号とする。



https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=13m13s
[セルコール] [注意喚起音] 警視庁から各局 築地管内 築地3丁目15番の1号で発生した。
一連のG事案につき 8時27分 築地3丁目15番1号中心の6キロ圏配備を発令する。
合わせて日比谷線の沿線要点配備を発令する。
なお実施署については先に発令した通りなお要点配備については、
中目黒、中目黒、北千住間の日比谷線を管轄する各署とする。



https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=18m07s
[セルコール] 警視庁から各局、本日8時25分ごろ1方面管内において爆発物爆発物使用の
ゲリラ事件が発生した。本件につき8時57分、全体G配備を発令する。
ただし、実施署は23区内とする。動員体制は全署甲号とする。
各署リモコン担当者は G配備に定められた警戒方法の指示徹底を図るとともに
関連重要施設、警察施設等の一斉点検を行い不審物件等の発見に努められたい。

 

方面系(基幹系)
警視庁では10の方面系が存在し(事件当時は8方面体制でした)、
地下鉄サリン事件の主たる方面系は1方面(千代田区・中央区・港区・大田区・江東区・品川区と島嶼部)であり、
本通話記録は1方面のみの通話です。

 

署活系(署外活動系):
基幹系は中継局(レピータ)を介し都道府県内全域をカバーしている為、
同一方面系に属する他局や受信マニアにも通話内容を聴かれてしまいます。
通信指令本部はもとより、警察官だけでも相当な数が常時聴いているので慎重な通話が行われます。
一方、署活系(署外活動系)は警察署単位で割当てられた署員間の連絡用無線で、警察版業務無線という位置付けです。
こちらでは砕けた通話も行われ、厳密には電波法上の目的外通信にもなりそうですが、弁当の注文なども行われます。

 

受令機:
警察官の無線装備はパトカーや白バイなら車載型無線機、徒歩や自転車ならハンディ型無線機がありますが、
全警察官が持っている訳ではなく、指令内容や他の通話内容を受信するだけの受令機(要するにラジオです)
しか持たない警察官も大勢います。原則、相勤との二名行動なので予算的にも全警察官には支給されません。

 

警電:
警察電話。警察独自の電話網で、警察無線との相互接続が可能であり
交番等からも"123"をダイヤルするだけで照会センターに繋がります。
一般公衆回線(一般電話)への発信も可能です。
都道府県番号3桁+所属番号3桁+個別番号3桁の構成で全国統一されています。
同一県内であれば県番号は省略可能です。
※くれぐれも無人交番でイタズラなどしない様に!

 

PATシステム(パトカー照会指示システム):
パトカーに搭載された小型PC(PDA)により無線で照会センターを呼び出すことなく照会が行えるシステム。
PAT基幹系(方面系)は周波数を共有しておりノイズとして混信する問題がありました。
その為、本事件では早い段階で通信統制によりPATの使用を禁止しています。

https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=5m29s

> 現時点から該日比谷線の事案につき最優先の宰領とし他の通話は規制する。
> 合わせてPAT(パトカー照会指示システム)の使用を禁止するので
> それで 各局は了解願いたい。

 

カーロケ(カーロケーションシステム)
各車両(覆面を含む)のGPS位置情報を専用周波数で逐一通信指令本部に通知するシステム。
これにより、通信指令本部ではパトカーの位置を地図上で把握することが可能です。
事件当時はカーロケ非搭載車両も混在しました。

 

AVMシステム:
カーロケの発展型で、単一方向(車両から通信指令本部)の位置通知だけでなく、
110番通報の概要や現場住所等を文字情報として車両端末に表示する双方向通信システムです。
車両側も指令を了解した際は「了解」ボタンを押すだけと通信の簡略化が図られています。
現在では警察無線だけでなくタクシー無線や大手私鉄列車無線にも採用されています。

 

10番A(音声反転式秘話):
主に暴走族事案で使用されたが簡単な復号回路で容易に解読ができた上、
アマチュア無線機のSSB(Single Side Band)モードでも聴けてしまいました。

後に秘話機能搭載コードレス電話の大半がこの方式でした。

【関連動画】10番A秘話と復号(解読)実験

https://youtu.be/x1BFynH8N88

 

100番セット/100番解除:
アナログ方式(N-FM変調)からディジタル方式(π/4シフトQPSK位相変調)への移行黎明期、
試験導入であったことや対応移動端末の調達が間に合わず、
アナログ方式とディジタル方式をリンクさせ並行運用していました。
このリンクすることを「100番セット」と呼び、重要案件伝達時は本部の判断により
リンクを解除しディジタル方式のみで伝達していました。
このリンク解除を「100番解除」と呼びました。

 

甲号
「人員体制はいずれも甲号とする」とは、キロ圏配備の動員数は各署動員可能な最大限の人員を意味します。

 

フォネティックコード:
NATOフォネティックコードと呼び、文字・数字を正確に伝達するための世界共通規則。
また、和文(日本語)に付いては無線局運用規則により別途定められています。
和文コード制定当時は郵政省が所管だった為か、郵便や地名が目立ちます。

欧文コード https://goo.gl/9WCkAh
A アルファ
B ブラボー
C チャーリー

和文コード https://goo.gl/sXATfT
イ いろはのイ
ロ ろーまのロ
ハ はがきのハ

しかしながら警察官は警察学校在校中に第二級陸上特殊無線技士資格を講習(ほぼ100%合格します)
にて取得しますが、通常業務ではナンバー照会で「練馬2文字、数字の33、はがきの"は"、1234」等と
和文コードしか使用する機会がない為か、正しい欧文フォネティックコードが使えません。
少なくとも私は聞いたことがありません。中にはアマチュア無線を趣味とする警察官もいるんでしょうが…。

例えば"G"を送る際に「ジャイアンツの"G"」は有名です。(正しくは"Golf"です)
http://awabi.5ch.net/test/read.cgi/radio/1317676040/182-192
https://society.5ch.net/test/read.cgi/police/1059478920/528

※警察無線の特殊なコードとして、生年月日の1月は「お正月の○日」と伝達します。

 

MPR/WIDE/APR/PSWディジタル変調方式:
1983年 警視庁が試験的にディジタル方式のMPRを導入(2G携帯電話と同じπ/4シフトQPSK位相変調方式)
1984年 グリコ・森永事件の遺留品として八重洲無線のアマチュア無線機FT-208を押収。
    犯人が警察無線を傍受していたことが判明する。
1988年 MPR方式の完全移行が完了
1994年 主に警電にWIDE(Wireless Integrated Digital Equipment)方式を一部導入
1995年 地下鉄サリン事件発生(事件当時はMPR方式でした)
1998年 革マル派アジトからMPRの解読装置や録音テープを押収、MPRの解読が判明。
2003年 MPRより暗号強度が高く高機能なAPR(Advanced Police Radio)方式への移行
2011年 署活系にPSW(Police Station Walkie talkie)方式を導入
※MPRでも解読には相当な技術力が必要であり、現行のAPRやPSWはほぼ解読不能と考えられる。

 

IP無線(PSD方式):
従来、警察では警察組織独自の通信システムを構築して来ましたが、
近年は携帯電話網の普及と信頼性の向上により試験的ではあるものの
KDDI(au)携帯電話網のパケット通信を使ったIP無線も徐々に導入されています。
これをPSD(Police Station Data terminal)方式と呼び、端末呼称は「Pフォン」です。
最近では警察無線だけでなく各種業務用無線にも広く普及しつつあります。
携帯電話網のパケット通信を使用したVoIP(Voice Over Internet Protocol)通話の為、
免許や大規模設備も不要で通話エリアは携帯電話網に準じており、
LINEやSKYPE通話と同等ですから手軽に導入できます。

Pフォンに付いて (ヤフオクに多数出品されているのは何故?)
http://fallin-jumpin24.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11


画像出典:垂直落下式に跳んでるブログ さま

 

方面系指令台
警視庁では第1方面から第10方面まで地域ごとに分かれています。
霞が関の警視庁本部庁舎には第1方面系指令台のみがあり、
方面系指令台は各地に分散配置されています。
※地下鉄サリン事件当時は8方面体制で後に10方面体制となりました。

【各方面系指令台所在地及び担当区】
第1方面本部 千代田区霞が関二丁目1番1号(警視庁本部庁舎内)
千代田区・中央区・港区・島嶼部及び品川区・大田区・江東区の東京湾岸署管轄区域

第2方面本部 品川区勝島一丁目3番12号
品川区・大田区(東京湾岸署管轄区域を除く)

第3方面本部 目黒区大橋二丁目21番6号
世田谷区・目黒区・渋谷区

第4方面本部 中野区中野四丁目12番2号
新宿区・中野区・杉並区

第5方面本部 文京区春日一丁目5番12号
文京区・豊島区

第6方面本部 台東区東浅草二丁目27番11号
台東区・荒川区・足立区

第7方面本部 江東区新木場四丁目2番31号
江東区(東京湾岸署管轄区域を除く)・墨田区・葛飾区・江戸川区

第8方面本部 立川市緑町3,280番地(警視庁多摩総合庁舎内)
立川市・武蔵野市・三鷹市・府中市・昭島市・調布市・小金井市・小平市・東村山市
国分寺市・国立市・西東京市・狛江市・東大和市・清瀬市・東久留米市・武蔵村山市

第9方面本部 八王子市大横町14番20号
八王子市・町田市・日野市・多摩市・稲城市・青梅市・福生市・羽村市・あきる野市・西多摩郡

第10方面本部 北区西が丘三丁目4番7号
北区・板橋区・練馬区

 

総合指揮台
方面系指令台の上位で各方面本部長が就き、重要な判断を伴う指揮・命令を行う。
各方面本部長の階級は第1・第4・第8方面が警視長、それ以外は警視正となります。

途中で通話割り込みが行われますが、これは上司にあたる総合指揮台からの全方面系一斉送信です。
総合指揮台方面系指令台よりも優先権が高く、重要な判断を伴う指揮・命令は総合指揮台が行います。
総合指揮台の送信は全方面系一斉送信となる為、他方面系に属する警察官、
例えば第5方面の文京区・豊島区、第6方面の台東区・荒川区・足立区等は第1方面の事件を知らない為、
突然の総合指揮台一斉送信に驚いたことでしょう。

総合指揮台が優先送信(オーバーライド)する部分

https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=18m00s


https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=32m43s

 

【参考】
どの通信指令本部も概ねこの様になっています。
「初公開」などと言っていますが、千葉県警新庁舎がテレビ初公開なのでしょうか?
事前予約を行えばガラス越しに見学可能です。

千葉県警察本部 通信指令室

https://youtu.be/MnGqufSGi_M

 

110番受理台
110番です。事件ですか?事故ですか?」と通報を受理する電話オペレータが就く。
以前、私が帰宅したところ部屋の前に不審な男性が立っており
声を掛けると逃げるように走り去ってしまった。(空巣の下見か?)
不審者情報として携帯電話から110番発信したが、
呼び出し音が鳴るだけで数分待ってもオペレータが出ない。
被害があったわけでもないので約20分後に再度かけたところ
「大変申し訳ありません。何分人手が足りないもので…」と言う愛知県警。
今回は急ではないが110番はいつでも繋がる体制であるべきだろうと伝えました。
大事件により110番通報の輻輳は仕方がないものの、やはり不安です。
「念のため近所を警らさせます」とのことでしたが逃走してますって…。

携帯電話で県境付近から110番発信すると隣接県の通信指令本部に繋がることがあります。
この場合、管轄が違う(○○県)と伝えると管轄する県警本部に転送してくれます。
固定電話から発信した場合、契約者情報から発信者住所地が表示されます。(即座に逆探知可能)
携帯電話の場合、GPS及び基地局測位により大凡の発信者位置情報を取得できます。
110番通報時に余裕があり、詳しい住所を伝えたい際は近くの自動販売機を確認して下さい。
自動販売機には設置場所住所地が記載されています。

また、接続保持機能があり通報者が電話を終話しても受理台が回線を開放するまでは
接続が保持され必要であれば呼び返しが可能です。つまり、通報直後は他に発信ができません。
携帯電話によっては再起動するまで110表示が残る機種も存在します。

 

刑事課(組織)
・捜査一課
殺人、強盗、暴行、傷害、誘拐、立てこもり、性犯罪、放火などの凶悪犯罪(強行犯)を担当。
・捜査二課
詐欺や通貨偽造、贈収賄、背任、脱税、不正取引や金融犯罪、経済犯罪、企業犯罪等の
金銭犯罪・知能犯罪を担当。選挙違反や公務員職権濫用、その他公権力に関する汚職も扱います。
・捜査三課
空き巣、ひったくり、スリ、万引など様々な窃盗事件を担当。
・捜査四課
暴力団等の取り締まりを担当。警視庁と福岡県警は本部長直轄の「組織犯罪対策部(警視庁)」
「暴力団対策部(福岡県警察)」とし独立して存在します。
鑑識課
事件現場に残された指紋・足跡・血痕・毛髪・唾液・皮膚片・体液・服の繊維などを照合します。
より高度な技術を要する鑑定は科学捜査研究所(科捜研)が行います。
科捜研でも鑑定が困難な場合は警察庁の科学警察研究所(科警研)が行います。
・機動捜査隊
覆面パトカーで地域を警らし、事件発生時には初動捜査を行い、
初動捜査で解決不能な場合には捜査一課、捜査三課などに捜査を引き継ぎます。

 

公機捜(公安機動捜査隊):
警視庁公安部に所属する組織で公安部の執行隊という位置付けです。
主に爆発物等を用いたテロ(ゲリラ)事件の初動捜査や特殊な鑑識活動、
NBCテロ(核物質、生物、科学物質)の捜査や研究を担当します。
所在地は東京都目黒区目黒一丁目とされています。

何故か本部に無視される公機捜

https://youtu.be/Ean8SvO_uPE?t=25m48s

 

警視庁コールサイン割当規則:
署名 1番台 地域課
署名 10番台 交通課
署名 20番台 刑事課
署名 30番台 警備課
署名 50番台 地域課(自動車警ら隊)
機捜100番台 機捜本部PC
機捜110番台 1機捜1方面
機捜120番台 1機捜2方面
機捜160番台 1機捜6方面
機捜170番台 1機捜7方面
機捜230番台 2機捜3方面
機捜240番台 2機捜4方面
機捜250番台 2機捜5方面・10方面
機捜380番台 3機捜8方面
機捜390番台 3機捜9方面

 

山上中継局(レピーター):
基幹系(方面系)移動局は車載型で空中線電力5W、
ハンディトランシーバだと空中線電力1Wであり、
通常なら10数km程度の通話距離しか得られません。
そこで県内の見通しの良い山頂や高層ビルに中継局を
設置することで県内全域をカバーしています。例:大阪だと生駒山等


【警視庁/埼玉県警の山上無線中継局】
堂平山無線中継局(埼玉県比企郡ときがわ町)
高尾山無線中継局(東京都八王子市)

警視庁は主に高尾山無線中継局を使用し、
埼玉県警は主に堂平山無線中継局を使用していましたが、
いずれもバックアップ用として相互運用が可能な体制がとられていました。
他にも都庁等の高層ビルにも中継局が設けられています。

以前、堂平山に登った際は建設省(現国交省)の水防用防災行政無線中継局と
同居する形となっており無線局の表示は建設省としか記されていませんでした。
しかし、当時としては異常な数の監視カメラが設置されていたのが印象的でした。
堂平山は宮崎勤が死体を遺棄した付近、正丸峠旧道から登ります。

 

山がけ通信:
当時、実際の埼玉県警共通系の通信システムを例に示します。
152.63MHzで送信すると中継局から大電力で148.47MHzで再送されます。
堂平山から空中線電力50Wで送信された電波は関東一円及び長野・山梨にまで届きました。
通信指令本部も152.63MHzで送信し、148.47MHzを受信しています。
これをスプリット方式と呼び、送信周波数と受信周波数が異なる為、
中継局を介さない直接通話はできません。

また、通信指令本部が送信中でも至急報や他局との同時送信による混信が発生していないかを
152.63MHzで送信しながら148.47MHzで自らの音声をモニタしています。
従って混信(同時送信や妨害)が発生した際はすぐに送信を停止します。

山上中継局(山がけ通信)とスプリット方式の概略図
レピーター

 

当時の周波数帳:
三才ブックス ラジオライフ別冊 周波数帳 1985年版 警視庁・消防
1985年版 周波数帳 東京
クリックでオリジナル画像を表示


1方面系周波数情報:
1方面系

ダウンリンク周波数 147.04MHz (中継局再送信周波数 f2)
アップリンク周波数 143.04MHz (移動局送信周波数 f1)
各署活系周波数 (警察署単位で割当)

周波数帳はラジオライフ別冊として1982年から発行されていますが、
改造したアマチュア無線機(オフバンド送信)による警察無線への
妨害が相次ぎ1985年版以降はアップリンク周波数が非掲載となりました。

通話記録は1方面系のみ公開されましたが、複数の共通系・捜査系があり
こちらでも通話があったものと思われます。

 


日曜アカデミー さま動画
地下鉄サリン事件 警察無線を地図で再現 前編
https://youtu.be/CzeY1oT_E7s
地下鉄サリン事件 警察無線を地図で再現 後編 https://youtu.be/zDC9GR2aIRk

コメントにて当解説を紹介して頂いた 土星をどっせーい さま、
また Takaomaru 920 さま、Takaomaru 920 さまもありがとうこざいます。
https://www.youtube.com/watch?v=CzeY1oT_E7s&lc=Ugy7OMlNI-4yhVb8ezd4AaABAg
https://www.youtube.com/watch?v=zDC9GR2aIRk&lc=Ugx-WK118nsPiVSCclR4AaABAg

確かに私、なかじま仮名の解説ページ(取り急ぎ暫定版)でした。


私について(Youtubeアカウントはなかじま仮名):
普通のマニアよりも少々詳しいマニアです。
決して警察関係者等ではありません。

他にこんな活動も行っております。
激裏情報スタッフ
Kazuna web.archive
Google検索結果より 私が関わった案件の一部
詳しくは トップページ 上部の検索ボックスに"Kazuna"と入力してください。

これを以って自己紹介とさせて頂きます。そんなに危ないヒトじゃないですぉ!